2025/10/17
実例①:新入社員・若手社員向けレゴ®シリアスプレイ®研修
新入社員が本配属を迎える直前、同期とのつながりを深め、前向きな気持ちで一歩を踏み出すにはどんな研修が有効なのでしょうか?本記事では、ある企業で実施されたLSP(レゴ®シリアスプレイ®)を活用した1日チームビルディング研修のプログラムとその効果を詳しくご紹介します。
実施タイミングは配属直後、目的は 「同期との信頼関係づくり」と「ビジネスコミュニケーションスキルの向上」 。 参加者のリアルな声も交えながら、若手社員が自分らしく成長するための場づくりについて考えていきます。
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新入社員研修で「つながり」と「自信」を育む──配属直前のターニングポイントに
新しい環境に飛び込む直前、どれだけの「安心感」と「つながり」を持てるかは、その後の職場適応や成長スピードに大きな影響を与えます。今回ご紹介するのは、ある企業様にて本配属の直前という絶妙なタイミングで実施された、新入社員向けのチームビルディング研修です。
この研修には、1年目の新入社員約30名が参加。5名ずつ6グループに分かれ、LEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎メソッドと教材を活用した研修・ワークショップ(LSP)を活用しながら、自分の想いや価値観を語り合い、相互理解と信頼関係を育むことを目的としています。
研修のゴールは単なる“仲良くなること”ではありません。 以下のような状態を目指して設計されています:
・ 同期同士の信頼感・安心感が生まれ、同期意識が高まっている
・ 少し気恥ずかしいような夢や目標も、自然と口にできる心理的安全性がある
・ 質問する力や認め合う力といった、ビジネスコミュニケーションの基本に気づき、
今後の課題として持ち帰れる
実施形式は会場集合型の1日研修。午前は「入社動機」、午後は「この会社で挑戦したいこと」をテーマに、個人とチームで深く語り合う構成です。講義やワークだけでなく、随所にコミュニケーションスキルのレクチャーを挟むことで、学びと気づきが自然と深まるよう工夫されています。
以下に、当日実施したプログラムの全体像をご紹介します。
新入社員向けレゴ®シリアスプレイ®研修プログラム例
◆参加者:新入社員
◆人数:30名
◆時間:1日
| STEP | 内容 | 詳細 | 狙い |
|---|---|---|---|
| 1 | 研修事務局挨拶 | ・研修目的を明確にする | |
| 2 | 講師挨拶・ インスト | ・研修目的・グランドルールの共有 ・講師自己紹介/グループ内挨拶 ・LEGO® SERIOUS PLAY®(LSP)紹介 | ・ラポール ・当研修の位置づけ・目的理解 ・ワクワク感と信頼感の醸成 |
| 3 | LSPワーク(1) (ウォーミングアップ) | ・①レゴに慣れる個人ワーク ・②意味付けに慣れるグループワーク | ・色/形からのメタファで潜在意識を 引き出すという手法を体感する ・「違いを楽しむ」という意味を体感する |
| 4 | LSPワーク(2) (スキルビルディング) | ・自己紹介 ※グループ内発表 お題:『ワクワク』『まなび』『しごと』 | ・価値観の多様性を知り、認め合う |
| 5 | レクチャー(1) | "ビジネスに「正解はない」" "オートクライン効果(話しながら思考整理)" | ・「正解」探し、予定調和を脱する ・まずは「話してみる」という心構えを持つ |
| 6 | LSPワーク(3) (個人作品の制作) | ・「会社」に焦点を当てた作品を 個人制作 | ・直感を信じて手を動かしてみる ・「Fun(楽しい)」という気持ちを高める |
| 7 | レクチャー(2) | ・発問スキルレクチャー ・職場コミュニケーションの秘訣 ⇒自分から聞きに行くことが大事 | ・質問力がなぜ必要か? ・良い質問とは? ・質問力を高める”観点”とは |
| 8 | LSPワーク(3)’ (個人作品の発表・質疑) | ・「会社」に焦点を当てた作品を グループ内で発表&質問 | ・各人の会社への想いを語り合う ・ものの見方/発想の多様性を知り、認め合う ・質問力の課題感を実感する |
| 9 | 振り返り | ・「会社」に焦点を当てた作品を他己紹介 →左隣のグループメンバーの作品を、 他グループに紹介する | ・他グループと共有しあうことで、 グループをまたいだ交流や相互理解を図る。 ・他者の紹介を聞いて、自己理解を深める |
| 10 | 午前中のチェックアウト | ・良い質問とは? ・相手を大切にするとは? | ・どれだけきちんと他メンバーの理解を深めようと質問し、理解できたかを問う。 |
| ランチタイム | |||
| 11 | レクチャー(3) | "トヨタ流カイゼンの要所" | ・目標設定の重要性を説明できる ⇒問題発見より、ありたい姿を描くが先 |
| 12 | LSPワーク(4) | ・「将来の自分」に焦点を当てた作品を 個人制作 | |
| 13 | レクチャー(4) | ”最悪の想定” | ・苦労や困難の想定と心構えができている ・リスクマネジメントの重要性を説明できる ・レジリエンス(回復力)の強化 |
| 14 | LSPワーク(5) 前半 | ・「今後待ち受ける苦労・困難」に焦点を当てた 作品を個人制作 | ・今後の社会人生に負える苦労や困難を先読みする |
| 15 | レクチャー(5) | ”逆転のシナリオを描く” ・「どうやって困難を乗り越えるか?」 ・「お互いにどんなサポートができるか?」 | ・対処法・解決策・リソースを安打しする ・同期同士で助け合うイメージを描く |
| 16 | LSPワーク(5) 後半 | ・「将来の自分」&「途中の苦労や困難」の 2作品をグループ内で発表&質問 | ・今後3年間の成長ステップをイメージする。 ・苦労や困難を想定したうえで、 それにどう立ち向かっていくかを考える。 |
| 17 | LSPワーク(6) | ・個人作品を掛け合わせ 「実現したい未来像」に焦点を当てた作品を グループ作品制作・発表・質疑 | ・グループメンバーで将来ビジョンの解像度をあげる ・共同作業を通じて、仲間意識と達成感を醸成している |
| 18 | レクチャー(6) | ・承認スキルレクチャー ・コミュニケーションタイプ診断 | ・メンバーの良い点に着眼する ・ほめ方/認め方の基本を学ぶ |
| 19 | 相互フィードバック | ・グループ内で相互にフィードバック | ・お互いを認め合うことで、距離感を縮め、 信頼関係醸成を図る。 |
| 20 | まとめ | ・感想共有・アクションプラン作成 | ・研修目的から立ち返って成果を確認する ・明日からの行動変容を促進する |
| 21 | 片付け・アンケート記入 |
研修を通じて得られた気づきと変化
この1日研修を通じて、参加者の皆さんは単なる「研修の受講者」から「仲間として支え合う同期」へと関係性を深めていきました。
ワークのなかでは、「褒めることの難しさ」や「質問によって相手の考えを引き出す力」の重要性に、多くの新入社員が気づきを得ていました。また、グループでの対話を重ねる中で、自分とは異なる価値観やバックグラウンドをもつ同期と安心して話し合える空気感が自然と生まれていたのが印象的です。
実際の参加者の声(一部抜粋)
自分の「夢」や「将来像」を語るのは気恥ずかしかったけれど、
同期の前だからこそ素直に話せました。
→ 「本配属前にこういう時間があってよかった」と心から思いました。
質問の仕方ひとつで、相手の話す内容や気持ちの引き出し方が
変わることに気づきました。
→ これからの業務にも活かしていきたいです。
ほめるときは、ただ「すごい」ではなく“どこがどう良かったか”を
具体的に伝えることが大切だと実感しました。
こうした声からも分かるように、この研修は「学び」だけでなく、「内省」や「感情の共有」も促す設計となっています。だからこそ、将来振り返ったときに “あの日がターニングポイントだった” と思えるような経験となり得るのです。
信頼関係と行動変容を生む場としてのLSP研修
LSP(レゴ®シリアスプレイ®)を取り入れることで、言葉だけでは伝えきれない価値観や想いを「形」にして可視化できたことも、大きな要因のひとつです。
レゴブロックでの表現を通して、
「自分の考えを整理する」
「相手の想いを汲み取る」
「多様な価値観を認め合う」
といったプロセスが自然と生まれ、心理的安全性が高まった状態で対話が深まるのがLSPの強みです。
おわりに:本配属を前に、同期同士の絆を深める
配属直前という緊張感のあるタイミングだからこそ、このような「自分を語り、相手を知る」機会は非常に大きな意味を持ちます。
本研修のように、信頼関係と主体的な行動の土台を築くプログラムを取り入れることで、
配属後の立ち上がりスピード
チームでの協働意識
自律的な学びの姿勢
が自然と育まれ、結果的に組織全体の成長にも寄与することが期待できます。
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詳細は別記事(レゴ®シリアスプレイ®徹底ガイド、魅力、評判まとめ)